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コラム 『日朝戦「第三国・観客なし」』

 コラム NO.3 『日朝戦「第三国・観客なし」』

4月30日 読売新聞 1・17・30面

< 要約 >
 国際サッカー連盟は29日、6月8日に平壌の金正日スタジアムで行われる予定だったワールドカップアジア最終予選第5節の北朝鮮‐日本戦について第三国で観客を入れずに開催することを決めた。3月30日に行われた第3節のイラン戦で、主審の判定を不服とした北朝鮮選手が主審に暴力をふるって退場したほか、観客が物をピッチに投げ込んだりイラン選手の乗るバスを取り囲んだりしたことに対する懲罰的な措置である。(読売新聞)

< 見解 >
 サッカーに詳しくない方にはわかり辛いであろうから、まずこのような処分がどの程度世界で起こっていることなのか説明しよう。アジアではあまり聞くことのないニュースだが、ヨーロッパでは度々このような処分が下る。ごく最近ではCLの準々決勝インテル‐ミラン戦で主審の判定を不服としたサポーターが発炎筒を投げ込み試合は打ち切り、インテルは3試合の無観客試合を命ぜられた。このように近年、多発しているサポーターの暴徒化を防ぐために各サッカー連盟は処分を厳しくしつつある。選手の安全を確保するためにも必要な処分なのだ。

 大概、処分の原因となるのは主審の判断を不服として起こる観客の暴徒化である。もちろん今回もそれが原因であった。北朝鮮選手やサポーターがとった行動は確かに行き過ぎであるし、それに対するサッカー連盟の処分は多少厳罰ではあるもののあって然るべきだ。やはり危害を加えることはあってはならない。

 しかしながら、私は一概に処分によってサポーターが主審に与える重圧までもを取り除くべきであるとも考えない。そこにサッカーのおもしろさの一つが含まれているからだ。サポーターが作り出すスタジアムの雰囲気は精神的に主審にのしかかり、ホーム寄りの判断を下すことが多々ある。実力差があっても結果がわからないサッカーのおもしろさの一因だろう。逆にそれが無ければホームでやろうがアウェーでやろうが関係ないのである。弱小クラブがサポーターの応援を背にビッククラブを倒せるのがサッカーなのだ。意見が分かれるところだが私はこの主審の偏りに賛成なのだ。

 したがって、私は無観客で行われることが寂しくてならない。処分に処分を重ねることで、サポーターの脅威が無くなり主審が完全中立になりうることを心配しているからだ。そうならないためにもサポーターには節度を守った行動をして欲しいと願う。主審を追い込む雰囲気を作り出すサポーターは大歓迎だが、暴徒化は許すことができない。

 熱くなり過ぎ、かなり偏りのある意見を述べてしまったことを反省する。
by jokerish2 | 2005-05-12 10:44 | コラム
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