エッセイ 『創造の方法学』

 エッセイ NO.6  『創造の方法学』  高根 正昭 著

 創造とは、本著によると「物事の原因と結果を把握し仮説を構築、そしてその仮説を理論にまで持っていく」ことである。つまり物事をしっかり「考える」ということだろう。例えば新しい情報を得た際に、それをそのまま自分の知識にしてしまうのではなく、まずは「なぜ」と問いかけてみることだ。これはよく言われていることであるが、そのような習慣が身についていない私にとってまさに言うは易し行うは難しである。

 アメリカと比べ日本には創造をする習慣がないと文中にある。明治以降、日本は海外から知識を取り入れ模倣するばかりで、新しい知識を自ら生産することなく成長してきた。「なぜ」と問うことなく過してきた結果、ウェーバーについての知識は豊富だがその理論を使って新しい観察をするわけでもないウェーバーの専門家や、既存の考え方を継ぎはいで作った論文を書く学生が多く存在してしまったのだろう。正しく今までの私もその一人なのである。

 しかしながら、上述の日本人に陥りがちな模倣体質は訓練によって抜け出せるはずだと信じている。手本の一人が著者であるし、周囲にも少なからずいる。そして今、私自身が身につけようとしているのは他ならぬこの考える力なのだ。

 ここまでを振り返って見ると、現在学んでいる経済学や計量経済学(統計学)は筆者の言う創造をするために非常に重要であるということに気づく。特に経済学は、因果関係から仮説を構築してシンプルな理論を創り出しているゆえに筆者の言う創造の方法と酷似している。と同時にその理論は仮説の延長でしかなく、より信頼の置ける仮説にとって変わられる可能性を孕んでいる側面を見ても経済学と創造の類似点を見て取れる。

 今後、私は創造しなければならない場に幾度となく直面するはずである。最初からうまくいくはずはないのはわかっている。しかし、「自分で考える」と心がけてひとつひとつをこなしていくことで着実に成長していきたい。
[PR]
by jokerish2 | 2005-05-12 10:54 | エッセイ(課題)
<< エッセイ 『マルクスの描き出し... エッセイ 『加藤紘一氏の講演を... >>