エッセイ 『孫正義氏の講演を聞いて』

エッセイ NO.16 『孫正義氏の講演を聞いて』

 「二十代で名乗りを上げ、三十代で軍資金を最低で一千億円貯め、四十代でひと勝負し、五十代で事業を完成させ、六十代で事業を後継者に引き継ぐ。」これはソフトバンクの孫正義が19歳の時に立てた人生50年計画である。彼もまた他の名立たる経営者たちと同様に鋭い分析力と行動力を持ち合わせた野心家であったようだ。アメリカでは1週間に1度飛び級するなどと言った数多くの伝説を持つ彼だが、今回はその伝説が生まれるための基礎となる彼の物事に対する姿勢、特に事業に対する姿勢に着目してみようと思う。

 まず、革新的な経営者たちに共通して言えることだが、彼も常により良い事業がないかを考え続けていると言う。彼の場合、「1日5分の発明」がそれである。1日5分の発明とは、構造的に伸びる、やる気を感じる、小さな資本でできる、競合が少ない、儲かる、社会性があるといった十数個の項目を考慮して考えられるビジネスモデルのことである。こうした日々の積み重ねから生まれたビジネスモデルは調査・分析を繰り返しブラッシュアップされる。彼は特にこの作業に時間をかけ、ソフトバンクでは5年分の完璧な事業計画を立案してあとはやるだけの状態を作るために1年半を費やした程である。とは言え、全てが彼の計画通りに進む筈も無く、数多くの壁にも直面している。しかし、それにも拘らず、彼は「No.1になる」という熱意でそれらを退け成功を手にしている。

 今回の講演を聞いて感じること、それは地道な積み重ねとこだわりがあることの強さである。つまり、普段華やかな成功だけが取り沙汰されているその裏では直向きな努力がなされそれが成功へ繋がっていること、また、こだわりを持つことで生まれるそれに対する情熱・熱意は論理以上に人を動かす力を持っていることである。この強さを持ち合わせる孫正義、彼が自信に満ち溢れた人物のように見えてしまうのは私だけだろうか。
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by jokerish2 | 2005-10-15 12:43 | エッセイ(課題)
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