歴史 『燃えよ剣(下)』

歴史 No.28 『燃えよ剣(下)』 司馬 遼太郎 著

 下巻では、池田屋事件以降、土方歳三の作り上げた新撰組が京において勢力を増していく状況、そして鳥羽伏見の戦いを境に劣勢となっていく状況の中で土方歳三が何を考え何のために戦い続けたかが描かれている。

 さて、本巻で私の印象に残ったのは土方歳三の女性観である。彼は新撰組を結成してからは色恋沙汰がほとんどない。時にあったとしても隊士に他言しないのだが、彼は官軍との戦争が始まる直前に好きな女ができる。そしてその女に対する感覚が鋭い。彼自身の気持ちがそれまでの女とこの女とで違うことに気付き、一般的な言葉にしてしまえば「恋」がわかり始めてくる。それ以降の彼の生き方の変化を見ていると、仕事に明け暮れる男性にとっての女性の存在意義が見えてくる。その女性観が非常にかっこいい。自分の人生が自分ひとりのものでなくなる瞬間とでも言えようか、そんな瞬間を私も感じてみたいと思った。
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by jokerish2 | 2006-04-09 18:21 | 本:歴史・ノンフィクション
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