歴史 『ユリウス・カエサル ルビコン以前(中)』

歴史 No.31 『ユリウス・カエサル ルビコン以前(中)』 塩野 七生 著

 前巻に引き続き本巻ではユリウス・カエサルについて、特にガリア戦役1年目から5年目にかけて記述されている。この頃彼は40歳を迎えており、多くの偉人たちと比較すると遅咲きと言えるだろう。彼はこの5年間に渡る戦役の中で次々とガリアを平定してゆくのだが、そのやり方が実に巧妙である。著者も度々指摘しているように、彼は1つのことを1つの目的では行わないのである。行軍の進路1つをとっても、この行軍によって影響を受ける全ての主体がどういった行動をとるのかを予測し、次なる手を打つ際に都合が良くなるように先読みをしている。しかも、その先読みは敵の行動だけでなく、見方の兵に対しても、ローマの内政に対しても行われる。敵の1手先を読むのであれば並みの武将である。彼のように2手も3手も先を読み効率的にガリアを平定に向かわせたのは、その類稀な能力であったようだ。まるでローマ全体を空から見下ろしているかのような彼の視野を彼は一体どこで会得したのだろうか。その答えを得られず、気になって仕方がない。
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by jokerish2 | 2006-08-06 22:37 | 本:歴史・ノンフィクション
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