歴史 『悪名高き皇帝たち(三)』

歴史 No.41 『悪名高き皇帝たち(三)』 塩野 七生 著

 若き皇帝カリグラの後を継いだ四代目皇帝は50歳まで歴史家として生きてきたクラウディウスであった。彼にはカリグラの愚政によって失われた人々の信頼を回復し、内政、外政ともに山積する問題を解決することが課せられた。彼はゆっくりではあるが、一歩一歩着実に問題を解決してゆく。悪妻と言う慢性的な問題を抱えつつも。

 さて、彼の治世を概観すると、統治をする人間にとって歴史を知っていることの重要性を見せ付けられる。特に長髪のガリア人たちに元老院の議席を与えるか否かを議論した際の彼の論は、ローマがここまで繁栄してきた本質を押さえたものであり、歴史を知らない者には到底辿りつかない結論に導く。もちろん歴史偏重では意味がなく、現状を踏まえた上での歴史の応用が重要になってくるのは言うまでもない。その力も彼には備わっていたようだ。彼の統治は、歴史からある一定の法則や本質を見抜いておくことが今を生きる私たちにとって重要な意味を持つということを再確認させてくれるものであることは間違いないだろう。
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by jokerish2 | 2006-08-09 22:34 | 本:歴史・ノンフィクション
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