歴史 『悪名高き皇帝たち(四)』

歴史 No.42 『悪名高き皇帝たち(四)』 塩野 七生 著

 4代目皇帝クラウディウスは妻であるアグリッピーナの野望の犠牲となり死亡した。そして、その後を継いだのが養子であった当時16歳のネロであった。誰からも歓迎された5代目皇帝ネロであったが失政に失政を重ね、終には「国家の敵」と断罪され、彼の人生とともにカエサルやアウグストゥスが築き上げた「ユリウス・クラウディウス朝」にも終止符を打つことになった。

 さて、ネロと言えば悪名高き皇帝たちの中で最も耳にする名前のように思う。しかし、彼の治世を概観するかぎりティベリウスやクラウディウスの治世の方が印象的であるし、重要な役割を担っていたようである。しかしながら、よく名を聞くのはネロである。何故か。それは彼がキリスト教徒の弾圧を行ったからではなかろうか。いや、そうであろう。現代にまでキリスト教が続いていなかったならば、彼の行った弾圧に対して歴史は見向きもしなかったといっても過言ではないかもしれない。歴史というものはバイアスなしに見ることができないという性質がつきまとう。それを考慮してネロを見ると、なんとも可哀相である。
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by jokerish2 | 2006-08-09 22:35 | 本:歴史・ノンフィクション
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