人気ブログランキング | 話題のタグを見る

コラム 『堀江支持優勢 -「フジvsライブドア」ネット調査-』

コラム NO.1 『堀江支持優勢 -「フジvsライブドア」ネット調査-』

4月6日 アドバタイムズ 7面

< 要約 >
 インターネット広告会社のサイバーエージェントとインタースコープ社との連携によるインターネットリサーチサービスを通じたライブドアとフジテレビの買収騒動について世論調査した。反目しあう両者に対し、ライブドア支持派45.5%とフジテレビ派15.7%の約3倍に上る一方「どちらとも言えない」とした人も4割近くを占め、一連の買収劇に対する市民の複雑な思いが浮き彫りとなった。(アドバタイムズ)

< 見解 >
 『社会調査のウソ』を読んだ直後に偶然手にした新聞に書かれていた記事だが、読んだ瞬間にゴミだとわかる世論調査である。

 まず調査主体について軽く説明しよう。2社協業のこのリサーチサービスはサイバーエージェント側の会員データベースの約75万人をモニター対象とし調査を行い、クライアントに業界最大規模のモニター数と低コスト、スピードを売りにサービスを提供している。

 素人目から見ると広告事業とメディア事業の会員データベースのみを利用している時点でサンプルに問題がありそうである。しかしながらそれ以上に、調査目的によってはとんでもない結果が出てくるのではと思うのは私だけだろうか。特に今回の調査では結果が始めから見えている。サイバーエージェントの顧客の中でも確実にインターネットユーザーであるモニターをサンプルとして調査をしているからである。この場合一般的な調査に比べてライブドア支持派が多数になるのは至極当然であろう。日常からインターネットの便益を教授しているのだから。

 私はこのようなインターネットを活用した新しい調査方法の調査者がより慎重に調査対象を選定する態度を持って欲しいと切に願う。そうなれば、インターネットユーザーであっても偏りが生じない対象を調査する際には、低コスト、スピード、モニター数の多さは非常に有用になってくる。今後ますます増加が予想されるこの種の調査の信頼を築くためにも、調査者が調査対象の適不適を見分ける能力が当面の課題となってくることは間違いないだろう。
by jokerish2 | 2005-05-12 10:41 | コラム
<< コラム 『JR福知山線脱線事故』 本 『ブランド戦略シナリオ-コ... >>